久々に超越的な気分に浸ったという話をしたあとに、
ときどき入眠時幻覚のようなものはあるけれど、
若いときのようには神秘的な偶然の一致とか
明晰夢とか見なくなった、とくに起きているときの
神秘がかった体験をすることはほとんどなくなった
と寂しそうな感じで話した。ああいうのは若い時の
多感な時期独特の現象なのでしょうか?と主治医に
たずねると、そういう(生理的な)ことはきっとある
と思いますよ、みたいなことをおっしゃった。
次に最近困っていることとして、身体(からだ)のほうは枯れかかって
いるはずなのに、頭の中では性的な空想とか、あと、イライラ
が起こっているんですと言った。
若い頃に禁欲的に生きよう、道徳的な生き方をしよう、
綺麗に生きようという思いが強すぎて、
そういう仮面を被ったような生き方をしている
うちに、周囲ではすっかりそういうイメージが定着してしまった
と感じるようになって、そのイメージから降りられなくなって
しまったのです。夢を壊すんじゃないかと思って。
でも残酷なことに身体は正直でして、
炊飯器に蓋を載せるでしょう、
あんな感じでちょうど蓋みたいになって欲望を押さえつけ
ようとするのですが、炊飯器が熱せられてくると
蓋が「ぷくぷく、ぷくぷく」って言うでしょう。
あんな具合なんです。
『ジキル博士とハイド氏』って作品があるでしょう。
あの感覚がよ~くわかるんです。
といっても、仮面をかなぐり捨てて本能のままに
生きるというふうにはならないと思うのですが。
夢を壊しちゃいますしね。
私の言葉に対して主治医はこう答えた。
実は私もそういうところがあるのです。
P.S 職業柄、仮面をつけなくてはならない、という意だと思う。
一方、自分の内面を正直に語ることで、さらに点を稼ごうとしている
のではないかという、私への嫌疑については、
あたっているかもしれないが、自己言及的なのでもうこれ以上
書かない。
P.S 職業柄、仮面をつけなくてはならない、という意だと思う。
一方、自分の内面を正直に語ることで、さらに点を稼ごうとしている
のではないかという、私への嫌疑については、
あたっているかもしれないが、自己言及的なのでもうこれ以上
書かない。
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