「アルジャーノン」との異同

 おそらくは統合失調症との関連で一時的に頭は冴えわたるか高揚するかになったけれども、それはやはり一時的なもので、頭はその後だんだんと鉛のようになっていきつつあった。

　頭の冴えは、主観にとどまるものか、客観的にも何か意味のある証拠的物件を残しているのかよくわからない。病気になる前は、読むことを考え付くこともなかった類の本も読むようになったけれど、単なる背伸びなのか、これもよくわからない。

　あくまでも主観のレベルなのだけれども、未だに病気になる前だったら、読むことを思いつきそうもないたぐいの本は読んでいる。どれだけわかり、どれだけ読めているのかは自信がない。何のために？という問いもあるけれど、今日の話題とは遠そうだからやめておこう。

一つは、知能自体は、「頭が冴えていた」と本人の中で思っていた時期もそんなに高いものではないかったかもしれないと思うことだ。能力障害、認知障害もあったと思う。創造性、独創性？　自分ではなんとも言えない。創造性が何なのか、独創性が何なのか、自分の中でははっきりしない。気の利いたことを書いているような、言っているような、以上の何かなのか。

書きながら思ったことだけれども、今の時点でも、高望みしすぎなければ、何かできることもあるかもしれないと思うことだ。一律になにもかにもできなくなったわけでもなさそうだ。そして、若干だけれども、頭のさえていたと思っていたときの感覚の記憶もある。それと比較しての鉛としての今なのだけれども、まあ、今の時点でこの位あればいいのではと思う。

頭の冴えの残り香みたいなものも気まぐれのように訪れる。時間限定なのか、まだこの先しばらく再訪してくれるのかなにとも言えない。かぜひいて病み上がりなのでこのへんで。
しりきれとんぼでした。それが今なのかな。